仲見世リノベーションプロジェクトは、「釜石大観音仲見世のにぎわいを再び」をスローガンに、2015年から始まりました。代表は一級建築士で、東日本大震災後に再建工事などの設計のために三重県鈴鹿市から釜石に移住した、宮崎達也さんです。
宮崎さんは、建物やまちのハードを再生するだけでは、経済が回復しないという危惧を抱くようになり、観光地でもある釜石大観音仲見世のリノベーションを考えるようになりました。
釜石大観音仲見世は、赤い屋根と、土色の外壁、2階の格子出窓を持つ建物が両側にならび、通りの先に釜石大観音が見えるように作られています。
景観デザインされた町並みで、コンパクトでもあることから、リノベーションすれば面白い商店街になると宮崎さんは、直感しました。
しかし、仕事柄ハードのことはわかりますが、ヨソモノであるため情報がなく、仲間もおらず、どのように取り組めばいいかわかりませんでした。そんな時に、災害ボランティアで知り合った友人から、釜石○○会議に誘われ参加しました。そこは、市民がまちづくりやサークルなどの活動をしたいときに、声をあげて仲間を集めることが出来る場でした。
その場で宮崎さんが、仲見世通りのリノベーションについて提案しました。
すると、思いのほか反響があり10名ほどの仲間が集まりました。
地元企業の経営者や、個人事業主、NPO団体の職員、まちづくり会社の社員、先生、当時の副市長まで。
それぐらい、仲見世に思い入れのある地元の人は多かったのです。
それ以降、流しそうめんや、ハロウィンなどのイベント、ワークショップ、勉強会の開催、景観を改善するボランティアなど。
そして、最近ではえんむすびマルシェをメイン事業として開催しています。そのようなイベントを企画するにあたって、メンバーとは会議を繰り返し具体的な活動の話に加えて、アイデアを出し合ったりしています。あるメンバーが言ったのは、釜石大観音には「えんむすび」スポットがあるということ。
昔、そのえんむすびの神様の前で祈願をしたら、その年には結婚相手が見つかったそうです。そこで、えんむすびをテーマにした、えんむすびマルシェを開催するようになり、今ではメイン事業となっています。
恋愛のえんむすびだけでなく、友だち、仕事仲間など、さまざまなご縁が結べるようにと考え活動しています。